日本郵便の「ゆうメール」が商標権侵害で、サービス名の使用差し止めへ

「ゆうメール」といえば、月2億通以上の規模を誇る巨大サービスですが、なぜそのサービス名が使用差し止めになってしまうんでしょうか?
しかも、商標権侵害という一番気にしそうなところで引っかかってしまったようです。  
ということで今回は、商標権についてきちんと考えようっていう話です。

「ゆうメール」の商標権

郵便事業会社(日本郵便)に対して「ゆうメール」の使用差し止めの判決が下りたのが、2012年の1月12日です。
特許庁のWebサイトで「ゆうメール」を調べてみると、4件登録されています。
1件が、今回の原告の株式会社札幌メールサービスが「各戸に対する広告物の配布,広告,市場調査,商品の販売に関する情報の提供,広告用具の貸与」で登録しています。
残り3件は、郵便事業会社が「鉄道による輸送,車両による輸送,船舶による輸送,航空機による輸送,郵便,メッセージ又は小荷物の速配,メッセージの配達,物品の配達,通信販売者からの受託による商品の配送,新聞の配達,小荷物の配達,小荷物の梱包」「印刷物,封ろう,荷札」「広告,各戸に対する広告物の配布,市場調査,商品の販売に関する情報の提供,求人情報の提供,小荷物・書類その他の配達物の宛名書き・封入・料金計算・発送・仕分け又は受取りの代行」を指定役務として登録しています。

商標権は、登録された業務(指定役務)にのみ有効なので、株式会社札幌メールサービスが登録した「各戸に対する広告物の配布,広告,市場調査,商品の販売に関する情報の提供,広告用具の貸与」については、郵便事業会社は「ゆうメール」という名称を使用できないということになります。

株式会社札幌メールサービス

今回の経緯

平成15年4月
原告(株式会社札幌メールサービス)が「各戸に対する広告物の配布など」の分野の商標として「ゆうメール」を特許庁に出願した。

平成16年4月
日本郵便が、同じく「各戸に対する広告物の配布など」の分野の商標として「ゆうメール」を特許庁に出願した。
しかし、既に原告(株式会社札幌メールサービス)が同じ内容の出願を行っていたため、これは認められなかった。
そのため日本郵便は、「郵便、メッセージの配達など」の分野の商標として「ゆうメール」を特許庁に出願した。

平成16年6月
原告(株式会社札幌メールサービス)が出願していた「ゆうメール」が商標登録された。

平成16年11月
日本郵便が4月に出願していた「郵便、メッセージの配達など」の分野の商標としての「ゆうメール」が商標登録された。

日本郵便の主張

商標権侵害の事実はない

日本郵便の「ゆうメール」サービスは荷物の運送サービスであり、原告が商標権を有する「各戸に対する広告物の配布など」の分野には当てはまらない。

原告会社の商標は無効

日本郵便は、原告会社が「ゆうメール」の商標登録を行うより以前に「ゆうパック」の商標を登録していた。
「ゆうメール」と「ゆうパック」は極めて類似するものであり、原告の「ゆうメール」の商標は本来無効とされるべきものである。

ゆうメール – 日本郵便
ゆうパック – 日本郵便

「ゆうメール」はどうなる?

判決に対し日本郵便は即日控訴を行っており、どんな結末になるかはわかりません。

今回、問題となった日本郵便の「ゆうメール」は、日本郵便が民営化によってできた時に、もともと使用していた「冊子小包」というサービス名を「ゆうメール」に変えたものなんです。
平成16年4月に、「ゆうメール」の商標登録に失敗した際に、今回のような事態はカンタンに想像できたんではないでしょうか?
それでも、日本郵便が「ゆうメール」の名称を使い続けたこと、「ゆうメールでDMを送れます」と宣伝していたところが疑問ですね。

まぁ、このまま「ゆうメール」が使用差し止めとなれば、日本郵便側の損失はかなりのものになるんじゃないでしょうか。
となると、やはり商標権を買い取るっていう方向で進んでいくんではないでしょうかね。

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