[み]減価償却の定額法と定率法の違い

確定申告シリーズが続きます。今回は、減価償却の償却方法について紹介します。「[み]確定申告で事業用に使う車を経費として計上するために減価償却費を計算する方法」でも触れましたが、償却方法は、定額法定率法の2種類があります。

特に届出をしない場合は、法人であれば定率法、個人であれば定額法となっています。ただし、建物の場合は法人・個人に限らず定額法です。

個人事業主が、定率法を採用したい場合の届出についてはこちらを参考にしてください。
[み]個人事業主が定額法から定率法へ変更する方法

定額法と定率法の違い

まずは、それぞれの減価償却費の計算方法です。どちらも、平成24年4月1日以降に取得したものの場合です。

定額法 → 取得価格 x 定額法の償却率
定率法 → 未償却残高 x 定率法の償却率

文字だけ見ても、いまいちイメージがつかめませんね。ということで、平成25年1月23日に農作業用の軽トラック(新車)を100万円で買った場合の、定額法と定率法での償却額の違いを見てみます。

  定額法 定率法
1年目 250,000 500,000
2年目 250,000 250,000
3年目 250,000 125,000
4年目 249,999 124,999
合計 999,999 999,999

となります。

この表をみると、さっきまでの説明では、説明しきれない部分が出てきています。1~3年目は特に問題ないと思いますが、4年目のところで???となった方も多いかと思います。

備忘価額

まずは、最後に残された1円についてです。この1円は備忘価額というもので、その資産があることを記録しておくためのメモ程度のものです。なんとなく1円だけ残るというのはキリが悪いような気もしますが… でも、この1円を消してしまうと、資産も廃棄したということになってしまうので、なんとなく気持ち悪いと思っても残してください。

定率法の計算はとても面倒

定率法の4年目の償却額は、計算式からいくと、

125,000 x 0.25 x 2 = 62,500 円

のような気がしますが、実際には124,999円です。実は、定率法の償却額の計算は、未償却残高 x 定率法の償却率で計算するだけではダメなんです。

もちろん、未償却残高 x 定率法の償却率でいい時期もあります。その分岐点となるのが、調整前償却額と償却保証額がひっくりかえるところです。定率法では、償却率のほかに保証率・改定償却率という数字も耐用年数に応じて決まっています。

調整前償却額と償却保証額はそれぞれ、次の計算式で算出されます。

調整前償却額 = 未償却残高 × 定率法の償却率
償却保証額 = 取得価額 × 定率法の保証率

そして、調整前償却額≧償却保証額なら、

償却額 = 未償却残高 × 定率法の償却率

で、計算し、調整前償却額≦償却保証額なら、

償却額 = 改定取得価額 × 定率法の改定償却率

で計算します。

つまり、さっきの軽トラックの場合、4年目の調整前償却額が62,500円で、償却補償額が124,999円だったため、調整前償却額≦償却保証額の状態になっていたため、償却額 = 未償却残高 × 定率法の償却率で計算してはダメだったのです。

ちなみに、「改定取得価額」というのは、「調整前償却額が最初に償却保証額に満たなくなる事業年度の期首未償却残高」のことです。さっきの軽トラックの例でいうと、125,000円です。

定率法の計算は本当に面倒で間違いやすいので、ぜひ、自分でやらずに、Webサービスを利用しましょう。
減価償却(H24年度~) – 高精度計算サイト

また、定率法の計算例は国税庁のWebサイトにも掲載されています。
No.5410 減価償却資産の償却限度額の計算方法(平成19年4月1日以後取得分)|法人税|国税庁

定額法と定率法のそれぞれのメリット

定額法は毎年一定額の費用負担ですが、定率法は当初の負担額が大きく、後半は非常に小さくなります。とくにこの差は耐用年数が短いほど顕著にでます。何度も登場するさっきの軽トラックがいい例です。

では、事業を開始したときにどちらを採用するといいのかというのは迷いどころだと思います。例えば、創業当初から売上げが多く発生し、多額の所得が発生する見込みであれば、初期に経費を多額く計上できる定率法を採用した方がいいと思います。でも、ほとんどの場合は、最初から売上が多く計上される事はあまりないと思いますので、定額法を採用した方が有利になる可能性は高いんではないでしょうか?

ただ、企業では、定率法から定額法へ移行する企業が増えているという話もあります。
定率法から定額法への減価償却方法の変更がすすんでいるようです | 出る杭はもっと出ろ!
減価償却 -定率法から定額法への変更が相次いでいる真の理由:PRESIDENT Online – プレジデント

どちらがいいのかというのは、本当にケースバイケースかとは思いますが、個人事業主の方は、それぞれで計算してみて、比較検討することは必要かと思います。

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