中国の武漢から発生した新型コロナウイルスによる肺炎は、中国全土、そして日本にまで拡がりをみせ、1/28現在国内で7名の感染者が確認されました。
ウイルスは人から人へ感染し、変異による感染力の増大も予想されています。つい先日までは遠い外国でのことと思っていた方も、いよいよ自分のこととしてとらえる段階になってきたのではないでしょうか?
ということで、今回はどうやったら新型コロナウイルス感染を予防できるかを紹介します。
新型コロナウイルスとは?
まず新型コロナウイルスについて少しだけ紹介します。
今回脅威となっている新型コロナウイルスは、SARS(重症急性呼吸器症候群コロナウイルス)やMARS(中東呼吸器症候群コロナウイルス)と同じコロナウイルスの仲間です。
コロナウイルスは人や動物の間で感染症を引き起こすウイルスですが、今回発見されたウイルスは既知のものとは型が一致しないものでした。人に感染するコロナウイルスは現在6種類が知られていて、そのうち4種類のコロナウイルスは一般的な風邪の原因になるウイルスです。残りの2種類がSARSとMARSです。
今回中国で見つかった新型コロナウイルスは、この6種類に当てはまらない新しい型で、世界保健機関|WHOでは一時的に「2019-nCoV」と命名しています。
コロナウイルスは、「動物から人」あるいは「動物から別の種の動物」へ感染することはほとんどありません。しかし、例外があり、それが2002~03年に大流行したSARSと2012年に発見され現在も終息していないMARSです。SARSはキクガシラコウモリから人へ、MARSはヒトコブラクダから人へと感染し、それらが人から人へと感染していきました。
今回の新型コロナウイルスの感染源については現在調査中で、まだ明らかにはなっていません。しかし、すでに人から人への感染は確認されています。人から人への感染経路も明らかにはなっていませんが、既知のコロナウイルスの感染経路としては飛沫感染と接触感染で、空気感染はないと言われています。
新型コロナウイルス感染予防のポイント
新型コロナウイルスについてはまだ明らかになっていない部分が多くありますが、現在感染経路と考えられている飛沫感染と接触感染の対策をすることが感染予防につながります。
新型コロナウイルスの飛沫感染を防ぐ方法
一般的に飛沫感染を防ぐにはマスクが有効だと思われています。テレビ番組の街頭インタビューなどでも、インフルエンザの予防にマスクをしています!みたいな人は結構見かけますよね。
しかし、コンビニやドラッグストアなどで販売されているマスクは、口からの唾液や飛沫などを飛散させないことを目的に使うマスクでウイルスなどの吸入を防ぐことを目的として設計されていません。ですので、すでに感染している人が周囲への感染拡大を防ぐには役立ちますが、自分を守るためには効果がありません。
というのも、コンビニやドラッグストアで販売されている一般的なマスクは、前述のとおりウイルスを防ぐことを目的としていないほか、鼻や口の周りにすきまができやすい構造になっています。ですので、マスクを着用するのであれば、N95マスクをおすすめします。
N95マスクとは、N95規格をクリアしたマスクで、国立感染症研究所も現時点で詳細が明らかになっていない新型コロナウイルスの調査時には、感染予防策としてサージカルマスクではなくN95マスクを着用するとしています。
N95規格とはNIOSHが制定した呼吸器防護具の規格基準であり、N はnot resistant to oil 耐油性なし を表しています。95とは塩化ナトリウム(空力学的質量径0.3μm)の捕集効率試験で95%以上捕集することを意味しています。 つまりN95マスクは、5μm以下の飛沫核に付着した病原体を捕集することができ、着用者の肺への病原体の進入を防ぐことができるのです。
N95マスクであってもきちんと着用できていなければ意味がありません。N95マスクの正しい着用方法は3Mが動画で紹介しているので参考にしてください。
新型コロナウイルスの接触感染を防ぐ方法
接触感染を防ぐには手をきれいにすることがいちばんです。
電車・バスのつり革や手すり、エレベーターのボタン、ドアノブ、券売機、タッチパネルなど不特定多数の人が触る場所って結構ありますよね?もちろん、そこに目に見える汚れがついていれば触ることはまずないと思いますが、ウイルスは目に見えません。
そんな不特定多数の人が触る場所を触った後には、アルコールによる手指消毒が効果的と言われています。というのも、エンベロープという脂質やたんぱく質でできた膜をもつウイルスには濃度60%以上のアルコール消毒が有効と考えられています。そして、コロナウイルスもこのエンベロープを持っています。
市販品だとこんなものがあります。
もちろん、このアルコール手指消毒剤もきちんと使わないと、効果は薄れます。手ピカジェルを販売している健栄製薬株式会社では、アルコール手指消毒剤の正しい使い方を紹介しています。
- 適量の消毒剤を手のひらに取ります。
- 片方の手の指先で、他方の手のひらに馴染ませます。
- 両手のひら全体に、消毒剤をよくすり込みます。
- 両手の甲全体にも消毒剤をすり込みます。
- 両手の指を組み、指の間にもしっかりと消毒剤をすり込みます。
- 片方の手でもう片方の親指を包み込み、両手の親指にもしっかりと消毒剤をすり込みます。
- 両方の手首にまでしっかりと消毒剤をすり込みます。
また、注意点として
アルコール手指消毒剤は、手指全体にササッと行き渡らせるだけでなく、しっかりとすり込むことが大切です。すり込む度合いの目安としては、消毒剤が乾くまですり込むようにしましょう。「もったいないから」といって少量の消毒剤しか使わないのであればあまり効果は期待できません。手指全体から手首に至るまでまんべんなく行き渡る程度の量を手に取り、使用することが大切です。
としています。
新型コロナウイルス感染予防まとめ
- マスクをするならN95マスク
- こまめにアルコール消毒
もちろん、むやみに人がたくさんいるところにいかないというのも大事です。