昨日は、自動車の代金を経費として計上するために減価償却費の計算方法を紹介しましたが、これ以外にも、けっこう色んなものが経費として計上できます。納税は国民の義務ですが、節約できるところはキッチリと節約して、キッチリと税金を納めたいものですね。
個人事業主の税金の仕組み
どうすれば節税できるかという本題に入る前に、個人事業主の税金(所得税)がどのように決まるのかを紹介します。個人事業主の所得税はこんな風に計算されます。
所得 – 各種所得控除 = 課税所得
課税所得 x 税率 = 所得税
3段階もあって面倒な感じがしなくもないですが、要するに、こうなります。
この式を見るとわかるように、経費に計上できるものはキッチリと計上し、使える控除もキッチリと使うことで節税ができるというシステムです。(売り上げを減らす方法は本末転倒になりますので…)
こんなものも経費として計上できます
では、ここからが本題です。これはどう考えても経費でしょ!っていうものから、こんなものも経費になるんだ!っていうものまでさまざまありますので、確定申告前に確認してみてください。
基本的な考え方として、事業にかかわる出費は経費として認められます。この「事業にかかわる」という部分が重要です。個人的に買い物をした分は経費にはなりません。
忘れられがちな経費たち
事業にかかわる出費が経費になると紹介しましたが、そのスタンスは理解されていても、忘れられがちなものってけっこうあるようです。ですので、次のリストを確認していただくと、計上漏れがなくなるかと思います。
- 事業税の納付額
- 社用車の自動車税
- 印紙税
- 商工会議所などの会費
- 神社への玉串料など
- 取引先の忘年会やゴルフコンペなどの行事に参加するための参加費
- 取引先の結婚式でのご祝儀
- 取引先の葬儀での香典
- 取引先へのお中元・お歳暮
注意してほしい点は、冠婚葬祭関係のところです。特に、ご祝儀・香典は領収書が残りませんので、経費として認められないような気もしますが、領収書がもらえない場合は、出金伝票を書いて用途をメモしておくことで大丈夫です。
事業用とプライベートで按分することで経費になるものたち
前回の自動車のときにも紹介しましたが、事業用とプライベートとの使用割合で按分することで経費になるものもたくさんあります。こちらも計上漏れがないようにチェックしましょう。
- 固定資産税の納付額
- 家賃
- 駐車場代
- 電気・ガス・水道代
- 携帯電話代
- 固定電話代
- 車の減価償却費
- 車の車検代
- 車のガソリン代
- 損害保険料
- プロバイダ代
- サーバー代
按分してしまえば、ほとんどのものが経費として計上できてしまうんじゃないかという錯覚に陥りそうなくらいたくさんありますね。
経費をふやすとこんなに節税できるよ
所得税の税率は、課税所得(売り上げ – 経費 – 各種所得控除)によって決まります。その税率はこんな風になっています。
課税所得 | 所得税率 | 控除額 |
---|---|---|
~195万円 | 5% | 0円 |
195万円~330万円 | 10% | 97,500円 |
330万円~695万円 | 20% | 427,500円 |
695万円~900万円 | 23% | 636,000円 |
900万円~1,800万円 | 33% | 1,536,000円 |
1,800万円~ | 40% | 2,796,000円 |
では、課税所得500万円の方の所得税を計算してみましょう。
で572,500円ですね。
では、この方が、経費をキッチリ確認して、課税所得が470万円になったら所得税はいくらになるでしょうか?
で512,500円となり、所得税は60,000円も少なくなりました。
また、住民税は課税所得の10%ですので、課税所得が500万円の場合は50万円ですが、470万円になると47万円となり、ここでも30,000円節税することができます。ここまでで9万円節税することができました。さらに、地域差はあるものの国民健康保険税も節税できますので、10万円以上も節税することができます。
ここまで、いろいろ経費の話をしてきましたが、「事業にかかわる出費」が大前提ですので十分に注意してください。もちろん、領収書を取っておくこともお忘れなく。
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