今日は土用の丑の日ですね。土曜の牛の日ではありません。土用の丑の日というのは、土用(五行に由来する暦の雑節のひとつ)の間にある十二支が丑の日のことです。土用の丑の日といえば、1年で最も鰻が食べられる日ではないでしょうか?
で、この土用の丑の日に鰻を食べる習慣は、平賀源内が発案したとされています(諸説あるようですが)。
平賀源内の鰻キャンペーン
その話では、商売がうまく行かない鰻屋が、夏に売れない鰻を何とか売るため源内の所に相談に行ったところ、平賀源内は、「本日丑の日」と書いて店先に貼ることを勧めたそうです。すると、その鰻屋は大変繁盛したので、その後、他の鰻屋もそれを真似するようになり、土用の丑の日に鰻を食べる風習が定着したという話です。
「丑の日」と書かれた貼り紙に効果があったのかはこれまた諸説あって、一説によると「丑の日に“う”の字がつく物を食べると夏負けしない」という風習があったとされていて、鰻以外には、梅干や瓜などを食べる習慣もあったようです。もちろん、現在では鰻以外のものを土用の丑の日に食べるということはほとんど見られません。
枯渇し、高騰する鰻
平賀源内が土用の丑の日に鰻キャンペーンをやったおかげで、現在でも土用の丑の日に鰻を食べる習慣が残っているわけですが、問題はその鰻の漁獲量が激減しているため、鰻の価格が高騰していることです。この漁獲量の激減の主な原因は、乱獲です。その漁獲量の激減を受けて、養殖業者のシラスウナギの仕入れ価格は2006年の1キロ約27万円から、今年は10倍近い約248万円にまで高騰してしまっています。
そのため、スーパーをはじめとする小売店は、さまざまな対策をとっています。ダイエーは20~22日に全国の295店舗で、鹿児島・宮崎県産のうなぎの蒲焼きを昨年より20%安い1580円で販売しています。稚魚が高騰しているにもかかわらず、値下げできた理由としては、価格が一時的に下がった昨年の秋から年末にかけて一括して仕入れ、工場の閑散期に加工して冷凍保存することでコストを下げたということです。
また、日本で食べられている鰻の主力品種のニホンウナギをレッドリストに掲載するかの議論も行なわれています。このレッドリストは各国政府に保護の必要性を訴えるもので、これ自体に法的な拘束力はありません。しかし、レッドリストを作るIUCNは国際取引を規制するワシントン条約に強い影響力を持っているため、レッドリストに載れば、ワシントン条約の次の会議で国際取引規制の可能性は極めて高くなります。そして、ニホンウナギよりも安価で取引されていたヨーロッパウナギはすでに2007年のワシントン条約会議によって規制されています。
救世主はビカーラウナギ?マナマズ?
そして、この枯渇する鰻の救世主として、インドネシア近海で獲れるビカーラウナギという種がいるそうです。今日の「ひるおび」でもビカーラウナギが紹介されていました。ビカーラウナギは、ニホンウナギに比べて、肉厚で骨が細いため、食べやすいとのことです。ただし、このビカーラウナギについても、これまでのような量を漁獲してしまえば、数年でニホンウナギと同じ状況になるということでした。
また、ひるおび内でこの鰻に代わる、鰻のような食材として、近畿大学農学部准教授の有路昌彦さんがおススメしていたのが「マナマズ」です。
また、有路さんはこれまでにもマナマズを鰻として食べさせたことも複数回あり、1度もナマズだとはばれなかったということです。そのくらい、マナマズは鰻に酷似した味・食感だということなんでしょうね。で、有路さんのマナマズの蒲焼のレシピも発見しました。
- 塩をザバっとかけて、たわしでゴシゴシ体表をこすってぬめりを落とす
- 三枚におろす
- キッチンペーパーで水気をとる
- 5cm幅くらいに切って、串を打つ
- 白焼きする
- たれをつけて焼く
- 山椒を振りかけて完成
ほぼ、鰻の蒲焼と同じ調理法ですね。
そして、蒲焼のタレのレシピもありました。
- ナマズのあらを15分ほど白焼きする
- タレベース(濃い口しょうゆ2、白だし1、酒1、みりん1、砂糖1)を準備する
- タレベースに白焼きしたアラを入れる
- タレがとろとろになるまで煮る
これで完成です。
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こんなにステキなレシピを紹介されても、なかなか家でナマズをさばく気にはなれないですね…