2017年の年末にビットコインをはじめ、アルトコインも暴騰したので、かなりの利益を得た方もたくさんいるんでないでしょうか?そんなたくさん利益を得た方々に待ち受けているのが、確定申告ですね。20万円以上の利益を得た方は確定申告が必要ですので、3月15日までにきちんと確定申告しましょう!
この記事は可能な限り調べて書いていますが、専門家ではありませんので、税金に関して判断に迷った時は税の専門家(税理士など)に相談しましょう。
国税庁からの情報ー仮想通貨で得た利益は雑所得
2017年12月1日に、国税庁から「仮想通貨に関する所得の計算方法等について(情報)」が発表されました。
参考
仮想通貨に関する所得の計算方法等について(情報)国税庁
この国税庁から出された資料には、確定申告の対象となる仮想通貨の損益やその具体的な計算方法等についてまとめられているので、確定申告前に一読することをオススメします。
仮想通貨で得た利益は、ほとんどの方が雑所得に区分されます。(事業として仮想通貨を扱っている場合は別)この事業所得に区分されるか、雑所得に区分されるかでは、実は大きな違いがありますが、学生・サラリーマンであれば、事業所得に区分されることはほぼ無理ですので、素直に雑所得として受け入れましょう。事業所得に区分される基準・メリットは後述します。
ちなみに、雑所得というのは給与所得や不動産所得などの一般的な所得に該当しない所得のことです。この仮想通貨で得た利益の他にはこんなのがあります。
- 公的年金(遺族年金・障害年金は非課税)
- アフィリエイトで得た収入
- ネットオークションで得た収入
- 作家などの文筆業を営んでいない人が受け取った原稿料、印税など
- LINEスタンプの販売で得た収入
イメージとしては、副業で得た所得はだいたい雑所得という感じでしょうか?
仮想通貨の利益が事業所得に区分される条件とそのメリット
では、まずはメリットから紹介します。
- 事業所得から生じた損失は、給与所得や不動産所得などの他の所得と損益通算が可能
- 損益通算してもまだ残っている純損失は、3年間繰越しが可能
- 青色申告特別控除(65万円または10万円)を利用し所得を圧縮することが可能
- 青色事業専従者として届出をし、親族に給与を支給することで経費にすることが可能
仮想通貨の取引をかなりやっている方であれば、仮想通貨の利益が事業所得に区分されることはすごくメリットに感じるのではないでしょうか?しかし、事業所得に区分されるのは、先にも書きましたが、仮想通貨の取引を専業でやっている方くらいでないと難しいのではないでしょうか?
- 営利性・有償性の有無
- 継続性・反復性の有無
- 自己の危険と計算における事業遂行性の有無
- その取引に費やした精神的・肉体的労力の程度
- 人的・物的設備の有無
- その取引の目的
- その者の職歴・社会的地位・生活状況
などの諸点を総合して、社会通念上事業といい得るか否かによって判断する。
こんな基準を最高裁が出していますので、たとえ個人事業主の開業届をだしたところで認められる可能性は低いのではないでしょうか?1発当てたけど税金で持っていかれるのがいやだから事業所得にしてしまえ、みたいなパターンは後からひどい目に遭う確率が高いと思います。
仮想通貨に関する税金の具体的な計算方法
では、ここからは仮想通貨に関する税金の具体的な計算方法を紹介していきます。ベースとなる考え方は、国税庁のタックス・アンサーにあるこちらです。
[平成29年4月1日現在法令等]ビットコインは、物品の購入等に使用できるものですが、このビットコインを使用することで生じた利益は、所得税の課税対象となります。
このビットコインを使用することにより生じる損益(邦貨又は外貨との相対的な関係により認識される損益)は、事業所得等の各種所得の基因となる行為に付随して生じる場合を除き、原則として、雑所得に区分されます。
(所法27、35、36)
大事なのはここです。「ビットコインを使用することで生じた利益は、所得税の課税対象となります。」(このタックス・アンサーではビットコインという固有名詞で語られていますが、アルトコインに関しても同様の考え方ですので、ここから先は仮想通貨と表記します。)
「仮想通貨の使用」はこんなケース
課税対象となるのは仮想通貨を使用することで生じた利益なのは紹介しましたが、具体的にはこんなケースが仮想通貨の使用にあたります。
- 仮想通貨の売却
- 商品購入時に仮想通貨で支払い
- 仮想通貨を他の仮想通貨に交換
これが、仮想通貨の使用にあたるケースです。商品購入時に仮想通貨で支払いというのは、まさに仮想通貨を使用したパターンで、仮想通貨を他の仮想通貨に交換も、仮想通貨で仮想通貨を購入したと考えれば合点が行くと思います。
一方で、多くの人が当てはまるであろう「仮想通貨の売却」ですが、これも、仮想通貨で法定通貨(日本円・米ドル)を購入したと考えれば、仮想通貨の使用にあたるな、と合点が行くかと思います。
マイニング・ハーヴェスティングで得た仮想通貨はどう扱う?
仮想通貨は取引所で購入するだけでなく、マイニング・ハーヴェスティングなどでも得ることができます。これらのマイニング・ハーヴェスティングで得た仮想通貨はどう扱うのでしょうか?
これも、国税庁の資料に記載されています。
問 仮想通貨をマイニングにより取得した際の所得の計算方法を教えてください。
答 いわゆる「マイニング」(採掘)などにより仮想通貨を取得した場合、その所得は、事業所得又は雑所得の対象となります。
この場合の所得金額は、収入金額(マイニング等により取得した仮想通貨の取得時点での時価)から、必要経費(マイニング等に要した費用)を差し引いて計算
します。
なお、マイニング等により取得した仮想通貨を売却又は使用した場合の所得計算における取得価額は、仮想通貨をマイニング等により取得した時点での時価となります。
試しに計算してみましょう。
という設定。設備に関しては、減価償却しなきゃならんパターンのやつがありますが、その辺は今回の設定ではすっ飛ばします。
まずは、取得した時の所得を計算します。
500,000 x 0.1 - 50,000 = 0
ということで、マイニングにかかった経費があったおかげで、所得は0円です。
次に売却したときの所得です。仮想通貨を取得した手段がマイニングなだけで、所得金額の計算は、仮想通貨を売却した時と同じです。
この式に当てはめると、
(2,000,000 x 0.1) - 50,000 = 150,000
となるので、課税対象となる所得は15万円になります。
ハードフォークで得た仮想通貨はどう扱う?
ビットコインのハードフォークでビットコインキャッシュ・ビットコインゴールドが生まれたように、仮想通貨ではハードフォーク(分裂・分岐)が起こり、ハードフォークした仮想通貨を手に入れられることがあります。この時に取得した仮想通貨はどう扱うのか、これも例の資料に記載されています。
問 仮想通貨の分裂(分岐)に伴い、新たに誕生した仮想通貨を取得しましたが、この取得により、確定申告の対象となる所得は生じますか。
答 所得税法上、経済的価値のあるものを取得した場合には、その取得時点における時価を基にして所得金額を計算します。
しかしながら、ご質問の仮想通貨の分裂(分岐)に伴い取得した新たな仮想通貨については、分裂(分岐)時点において取引相場が存しておらず、同時点においては価値を有していなかったと考えられます。
したがって、その取得時点では所得が生じず、その新たな仮想通貨を売却又は使用した時点において所得が生じることとなります。
なお、その場合の取得価額は0円となります。
ハードフォークで新しい仮想通貨が生まれた時点では、その仮想通貨の価値が0なので、取得したときには利益も0ということで、もらっただけであれば課税対象にはならないということです。ここでの大事なポイントは、新しい仮想通貨を取得した時点では、市場が存在せず価値を有していなかったので「0」ということです。よって、すでに市場があり、価値を有する仮想通貨をもらった時には、受け取った時点で所得(利益)が発生します。
あ、ということは、
@masashi_385 さん!(/ロ゜)/ポーイ!@xembook さんから投げ銭GETですよ!
つ〔4.649000 nem:xem〕— NEM Mainnet tipbot (@tipnem) 2018年1月17日
@xembook さんから投げ銭をいただいた時点で所得が発生したんですね。
仮想通貨にどっぷりな方は税理士に依頼した方がいいと思う
今回、仮想通貨の確定申告について調べましたが、まだまだ曖昧な部分がたくさんあって、正直専門家に任せた方がいいレベルな気がしています。とはいえ、一口に税理士といっても、それぞれ得意分野があるでしょうから、この仮想通貨の分野に詳しい税理士さんにお願いするのがベストな気がしています。
「freee」は仮想通貨の確定申告に対応予定!
クラウド会計ソフトのfreee
会計freeeでは、個人の所得税確定申告機能において、仮想通貨による利益(雑所得)の申告への対応を予定しております。対応予定時期は2月上旬となります。
なので、税理士にたのむほど取引量もないし、という方はfreee
それと、確定申告の際には、普通徴収にすることをお忘れなく!