イクメンをめざすみなさん、イクメンは赤ちゃんが生まれてからと思っていらっしゃるかもしれませんが、赤ちゃんはおなかの中にいるときから成長を続けています。とくに、妊娠初期に重要とされる栄養素「葉酸」について紹介します。
葉酸とは?
まず、葉酸についてです。葉酸は、ビタミンM、ビタミンB9、プテロイルグルタミン酸とも呼ばれる水溶性のビタミンB群の一種です。ビタミンB12とともに、血をつくるのに必要なビタミンとして知られています。また、ホモシステインというアミノ酸を、タンパク質の合成に必要なメチオニンに変換することも葉酸がやってくれます。
タンパク質の合成に働くということで、細胞をつくるのを助けることになり、そのため胎児の発育に不可欠で、妊娠期や授乳期のお母さんにとって、葉酸は必要不可欠な栄養素とされています。
厚生労働省も、葉酸についてこんな勧告を出しています。
神経管閉鎖障害の予防ではなくリスク低減のために、妊娠を計画している女性・妊娠の可能性のある女性は通常のバランスのとれた食事からの摂取に加えて、1日400μgの葉酸を栄養補助食品から摂取することが望ましい。しかし、安易に栄養補助食品からとることで葉酸の過剰摂取にならないように、また葉酸摂取量は1日に1mg(1,000μg)を越えるべきではない。
神経管閉鎖障害の発祥リスク低減のための妊娠可能な年齢の女性等に対する葉酸の摂取に係る適切な情報提供の推進についてから抜粋
ということで、葉酸は妊婦さんにはとても重要な栄養素なんです。
葉酸を多く含む食品
葉酸は、その名の通り、植物の緑の葉の部分に多く含まれています。とくに、ホウレンソウ・春菊・モロヘイヤ・ブロッコリー・アスパラガスなどに多く含まれています。
また、イチゴやライチなどの果物類、たまご、枝豆、納豆、あおのりなどにも多く含まれます。それと、ビタミンの宝庫と呼ばれるレバーにも多く含まれています。
葉酸を多く含む代表的な食品
では、葉酸を多く含む食品は、実際にどれだけの葉酸を含んでいるのか紹介します。
食品名 | 葉酸量(100gあたり) |
---|---|
鶏レバー | 1300μg |
牛レバー | 1000μg |
ホウレンソウ | 210μg(生)110μg(茹で) |
春菊 | 190μg(生)100μg(茹で) |
モロヘイヤ | 250μg(生)67μg(茹で) |
ブロッコリー | 210μg(生)120μg(茹で) |
アスパラガス | 190μg(生)180μg(茹で) |
イチゴ | 90μg |
たまご(卵黄) | 140μg(生)110μg(茹で) |
枝豆 | 320μg(生)260μg(茹で) |
納豆 | 120μg |
あおのり | 260μg |
※(生)…未調理の状態 (茹で)…ゆでた状態
葉酸を摂取するときの注意点
実際に食品から葉酸を摂取するときの注意点は、上記の表を見ても一目瞭然なように、葉酸は加熱すると破壊されてしまいます。モロヘイヤのように食品によっては、加熱により半分以下になってしまうものがありますので、注意してください。
また、葉酸は光にも弱いです。ですので、買ってきた野菜を日のあたるところに放置してしまうと、分解されてしまいます。野菜などは、すぐに冷蔵庫の野菜室に入れて、新鮮なうちに食べましょう。
さらに、葉酸は水溶性なので水に溶け出します。ですので、野菜スープ等にした場合は、汁ごといただくことで、葉酸をきっちり摂取することができます。
食品で足りないときはサプリメントでもいい?
妊娠を希望する人・妊娠中の人は1日あたり400μgの葉酸を摂取することが望ましいと、厚生労働省も勧告していますが、実際には400μgをとれていない方が多くいるようです。そこで、食品から摂取できない場合には、サプリメントを活用するとOKです。
葉酸のサプリメントの利点は、生体内の利用率(吸収率)です。サプリメント中の葉酸の吸収率は85%程度ですが、食品中の葉酸の吸収率は50%程度と見積もられています。この吸収率の差は、やはり葉酸が熱によって破壊され、水に溶けだすことが原因のようです。
ですので、厚生労働省も確実に葉酸を補給できるサプリメントの利用を勧めています。
とにかくたくさん葉酸をとればいいの?
ここまで葉酸がいかに妊婦さんにとって重要な栄養素かを紹介してきましたが、じゃあ、とにかくたくさん葉酸をとればいいのか?というと、そうでもありません。現時点での過剰摂取による症状はみられませんが、葉酸をたくさんとり過ぎると、ビタミンB12欠乏症による病気を診断しにくくなったり、小腸からの亜鉛の吸収が阻まれます。
また、厚生労働省も葉酸の摂取上限を1日当たり1mg(1,000μg)としていますので、1mgを超えないように葉酸を摂取しましょう。
葉酸をたくさん摂れる葉酸レシピ
葉酸をたくさん摂れるレシピをcookpadで探しました。
葉酸を多く含む小松菜・ブロッコリーと、ビタミンB12を多く含むあさりを一緒に食べることで、葉酸の体内吸収率がUPします。
枝豆は、加熱しても葉酸があまり減らないため、どんどん活用したい食品のひとつです。
レバーは葉酸だけでなく、鉄分も豊富です。葉酸だけにとらわれず、バランスよく栄養素を摂取しましょう。