FacebookやInstagram等で広がったアイスバケツチャレンジによって、ALS(筋萎縮性側索硬化症)の名前だけはだいぶ知られるようになったのではないでしょうか?
しかし、アイスバケツチャレンジだけが先行し、ALSとはどんな病気なのか、ALSに罹患するとどうなるのかなどは、あまり知られていないように思います。
そこで、今回はALSについて、これまでにALSに罹患した著名人など、ALSについてのメモです。
ALSとは?
ALSは、筋萎縮性側索硬化症(きんいしゅくせいそくさくこうかしょう、amyotrophic lateral sclerosis、略称:ALS)で、脳や末梢神経からの命令を筋肉に伝える運動ニューロン(運動神経細胞)が侵される病気で、難病の一つに指定されています。現在、日本には約8,300人前後の患者さんがいると考えられています。
体のどこが具合悪くなる?
ALSでは、運動ニューロンが侵されるため、随意筋(自分の意志で動かす筋肉)を動かすことができなくなってしまいます。
随意筋を動かせなくなるため、手足を動かしたり、体を起こしたり、ものを飲み込んだり、まばたきをしたり、といった自分の意志で筋肉を動かすこと全般ができなくなります。
感覚は残る?
ALSでは、運動ニューロンが侵されますが、知覚神経や自律神経は侵されないため、視覚、聴覚、臭覚、味覚、触覚の五感や、記憶、知性には原則として影響はありません。ですので、目も見えますし、耳も聞こえます。もちろん、蚊に刺されたら痒いです。
また、心臓や消化器系は、不随意筋(自動的に動いてくれる筋肉)なので、運動ニューロンは関係せず、自律神経によって動いているので、ALSに罹患してもそのまま機能します。
しかし、呼吸に関しては、自律神経のみでなく随意筋の呼吸筋も関係してくるため、ALSに罹患すると、呼吸筋が次第に弱くなり、呼吸が困難になっていきます。
ALSの原因
ALSについて、世界中で研究されてはいますが、現時点では病因はまだ明らかになってはいません。しかし、いくつか病因ではないかとされる説があります。
グルタミン酸過剰説
ALS患者の運動ニューロンは、シナプスから出てくるグルタミン酸を再び取り込む機能が障害されるため、神経細胞の外のグルタミン酸が過剰になって神経細胞が死滅するのではないか、という説
環境説
紀伊半島やグアム島などで、ALSが他の地域より多く発症したことから、環境の中にある何かが原因なのではないか、という説
家族性・遺伝性説
ALSは、日本でも海外でも約90~95%が遺伝と関係なく発生し、家族性ALSは約5~10%といわれています。家族性ALS患者の約20%に、活性酸素を解毒する酵素(SOD1)をつくる遺伝子の突然変異が発見され、これが運動ニューロンを死滅させる原因の1つではないか、という説
神経栄養因子欠乏説
神経を成長させたり、傷ついた細胞を回復させたりするのに必要な栄養成分が欠乏することによって、運動ニューロンが壊されるのではないか、という説
ALSに罹患した著名人
ALSの名前を知らなくとも、病状は知っていたという方もいるのではないでしょうか?みはらも、病名は知りませんでしたが、この病状があることは知っていました。
徳田虎雄氏
それは、医療法人徳洲会理事長の徳田虎雄氏がニュースにたびたび出ていたためです。
ニュースに出ていた徳田虎雄氏は、自分の足で歩くことができず、また、会話もできない状態でした。当時は、これがALSだとはまったく知りませんでした。
スティーヴン・ホーキング博士
もう一人、スティーヴン・ホーキング博士も症状は知っていましたが、ALSという病名は知りませんでした。スティーヴン・ホーキング博士を知っていたのは、我が家にこの本があったからです。
この宇宙に関する本がなぜ我が家にあったのかは、ものすごく疑問ですが、今度実家に帰った時にでも聞いてみようと思います。
ALS患者の率直な気持ち
YouTubeで見ました。
「僕は生まれてきてからずっと、ALSをとても怖がってきた。僕の家系は、ALSに罹りやすいんだ」
「僕のおばあちゃんもALSだった。彼女は僕にとって2番目の母親みたいなものだった。僕が高校生のとき、母親がALSだと診断された。そして5カ月前の26歳の時、今度は僕がALSだと診断されたんだ」
「ALSは、本当に本当に怖いものなんだ。あなたたちには全然わからないかもしれないが」
ALSの怖さは、おそらくALS患者にあったことのない人にはわからないのだと思う。イメージはできるが、きっと想像を超える恐怖だろう。